16話 心に蓋をしたままで1

16話 心に蓋をしたままで1  俺が七海(ななみ)と付き合いだして約三ヶ月ほど経った。その頃にはもう会社全体では周知になっていたし、帰りも七海を送っていくことがしばしばあった。  俺は彼女が出来たことで心と身体の欲が満たされ充実した日々を過ごしていた。だから――暖子(はるこ)さんに対する想いは単なる趣味が合って話しやすいからだと思うようにし、あの淡い初恋のような感覚を、押し殺すように心の奥底にしまい蓋をした――その筈だったのに。  やはりどうやら俺は普通の恋愛は出来そうにないらしい。七海があんな女だったとは、女ってのは恋愛が絡むとこうも変わるものなのかと、この時ほど痛感した事はない。
しん
しん
アラフィフおばばですが、頭の中は小学2年生。好きな小説ジャンルはファンタジー。魔法とか大好きです。 pixivはhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18759061