境界線

 時計は見てないけど、夜の十二時前くらい。  隣に寝転がっている水色のペンギンの瞳は、ただの糸のくせに本当に眠っているみたいに見える。  主人より先に寝るなんて生意気。  なんとなくそう思って、寝返りをうって背中を向けた。  このまま眠れば、明日のほうからこっちに来る。今日はどこかに行ってしまう。  星や月も、しばらく会えない。でも、星や月は今日と違ってまた会いにくるから、まだ優しいのかもしれない。  だとすれば何も言わずに去る今日も、勝手に来る明日も、とんだ薄情者だ。
はのん
はのん
アプリ入れ直した出戻りです。 書きたいときに