最期の贈り物

最期の贈り物
「私ね、決めたの。この子にあげようって!私のこれから見るはずだった世界を全部あげようって!」 妻はそう言って、優しく微笑んだ。 遠くで鳴った風鈴。妻が愛おしげに撫でる花瓶の中のヒマワリが愛らしかった。 「六花(りっか)、明日、河原(かわはら)のばあちゃんち行くぞ?」 ソファでスマートフォンをいじっていた娘の六花が、あからさまに嫌そうな顔をした。 「美味いもん、なんでも食わしてやるから!」 そう言うと六花は突然振り向いて、キラキラした瞳で俺を見た。 「パパ今言ったこと、忘れないでよね!」 なんて現金なやつなんだと思ったけど、それは心の中にしまった。
藤咲 ふみ
藤咲 ふみ
はじめまして。クラゲとクジラが好きな成人済の女です。基本的に木曜日に小説を更新しています♪夜書いた文章は朝には読み返します。短いけど読み応えのあるギュッとした、自分が素敵だと思える世界を置いていきます😌よろしくお願いいたします☘いいね♡、優しいコメントくださるととても喜びます! ※表紙のイラストはAIアプリで作成したものを使用するか、フリーイラスト等をお借りしております。 ※ここに上げている作品の全ての著作権は、私のものとさせて頂きます。二次使用など何かご入用の際は一言お声掛け下さいますようにお願申し上げます。(お断りなく一部でもご使用された場合は通報などの措置をとらせて頂きます。) start:2024.5.24