最期の贈り物
「私ね、決めたの。この子にあげようって!私のこれから見るはずだった世界を全部あげようって!」
妻はそう言って、優しく微笑んだ。
遠くで鳴った風鈴。妻が愛おしげに撫でる花瓶の中のヒマワリが愛らしかった。
「六花(りっか)、明日、河原(かわはら)のばあちゃんち行くぞ?」
ソファでスマートフォンをいじっていた娘の六花が、あからさまに嫌そうな顔をした。
「美味いもん、なんでも食わしてやるから!」
そう言うと六花は突然振り向いて、キラキラした瞳で俺を見た。
「パパ今言ったこと、忘れないでよね!」
なんて現金なやつなんだと思ったけど、それは心の中にしまった。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/7/17 11:00
藤咲 ふみ
はじめまして。クラゲとクジラが好きな成人済の女です。基本的に木曜日に小説を更新しています♪夜書いた文章は朝には読み返します。短いけど読み応えのあるギュッとした、自分が素敵だと思える世界を置いていきます😌よろしくお願いいたします☘いいね♡、優しいコメントくださるととても喜びます!
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start:2024.5.24