《旅立ち編①》

昔、この世界は四つの種族から成っていた。知識を司り、世界を創った神族、強大な力を持ち、世界を平定した竜族、自然を護り、魔力を広めた多魔族、知恵で世界を動かし、文明を発展させた人族が共存していた。しかし、そんな世界に歪みが表れる。神族が知識の独占を始め、多魔族が文明の発展を阻害しだした。そしてその行為を竜族が見逃し、挙句三種族は同盟を組んだことにより、戦争が始まってしまった。このまま人族は蹂躙されるのみかとおもわれたが、突如異界から謎の超生命体が出現し、三種族に大打撃を与え、そのまま人族が勝利し、終戦を迎えた。これが後の《ユーリスの奇跡》である。そして今現在、世界は人族が統治している。持ち前知恵を活かし、物流や経済を発展させ、統治形態を完成させたのだ。 「なあなあ聞いたか?盟龍会」 「あーあの最強の?またなんかすごいことしたの」 「北の火山湖の主、火蜥蜴を鎮めたらしい」 「本当か?あそこは長いこと定期的な噴火に悩まされてたからな。やっぱ偉大だ」 男二人はそんな話をしながら大きな通りを歩いていく。そんなふたりを横目にカフェでくつろぐ2人組がいた。 「私達すっかり有名人だよね!テンション上がるー!」 青髪の少女は誇らしげにケーキを頬張っている。 「そうだね。あっほら、あんまりはしゃぐと危ないよ」
ホネナシちきん
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