ディープナイトコンビニエンス④

ディープナイトコンビニエンス④
 ところが、電話は繋がらなかった。  電話線も、電源も繋がっている。一一〇番も合っている。しかし、なぜか呼び出し音が鳴らない。 「えぇ、なんでなんで?」焦りで背中が冷たくなる。  おれは受話器をデスクに叩きつけた。電話線や電源を抜いたり差したり繰り返す。それでも結果は変わらず、電話が警察を呼び出すことはなかった。  モニターを見ると、須磨はレジカウンターに戻っていた。  まずい。  おれは、何食わぬ顔で店内に入ると、とくに乱れてもいない商品棚を直すフリをしてからカウンターに戻った。  須磨は何も言わず、隣に立っている。おれも黙って立っていた。  やはり緊急ボタンを押すしかないのか。いや、反対にこのまま朝まで何事も無く過ごしたほうが安全かもしれない。  おれが、おでんをかき混ぜながら考えていると、突然、須磨がしゃがみこんだ。おれは動きを止め、いつでも走り出せるように片足に重心を寄せる。
中野水
中野水
昨日、近所を歩いていると「お前、中野だよな?」そんな風に声をかけられた。なのでその晩、カツ丼を食し、空のどんぶりを外へ置いてみた。翌朝見てみると、どんぶりと蓋の間に挟まったマサシが「侍!侍!」そう連呼している。だって僕はコーラが好きなのに。 はあ? よろしくお願いします。