道に落としたパンのかけらは、もうない。

道に落としたパンのかけらは、もうない。
冗談だよ、と、いつものような屈託のない笑顔で、否定してほしかった。 いや、否定してくれると思っていたのだ。 必死に手を引っ張って、支えていたのは、自分だ。 いや、支えていたつもりだったのか。 長い間、甘いお菓子の家に閉じこもっていたのは誰だ? たとえ、たくさんお菓子を持って帰ったとしても、貴方が喜ばないことくらい、気づけたはずなのに。 「なあ、」
日和檸檬
日和檸檬
初めまして。そしてこんにちは。日和檸檬と書いて、ひよりれもんと言います。 私の物語が、少しでも貴方の心に届いたら。私を見つけてくださった貴方に、幸がありますように。 フォロバ目当てのフォローはお避けください。 二次創作専用アカウント(れもんびより。)をつくりました。 こちらで投稿してしまったものはそのままにしますが、これからはそちらで二次創作の投稿をしていきます。