幕間 消えた饅頭

静けさの落ちた室内に、カリカリという規則正しい音が流れる。 たまにトントンという机を叩く音も混じっており、その小さな合奏は築四十年の一室に心地良いリズムを刻んでいた。 ふと、窓際から差し込むオレンジ色の伸びた光が、机の末端を染め上げる。 それを視界の隅に捉えた部屋の主はようやく、それまで無心に走らせていたペンの手を止めた。 窓越しの風景には茜色の空。防災無線の流す『夕焼け小焼け』を唄うメロディーが、斜陽の風情に懐かしい情景を重ね映す。 その馴染み深い音を聞いてようやく、どれほどの時間が経っていたのかを思い出した。
Gmy
Gmy
ストーリー考えるのが好きでTRPGとかでも自作シナリオを作っていましたが、唐突に小説も書いてみるか。と思って書きました。 ※なろう小説での更新内容をそのままこちらに投稿しています