霊能探偵 ファイル13「鏡の中の亡霊・上」

霊能探偵 ファイル13「鏡の中の亡霊・上」
 探偵業の朝は早い。  依頼人がいつ何時訪れてもいいように備える必要があるからだ。  僕とサユキは事務所でそのまま寝泊まりしているため、あまり心配することはないのだが、備えていて悪いことはない。  僕は朝五時に起床。軽く事務所を掃除したあと、キッチンで朝食を作る。サユキの分も作るため、食費が前よりも倍になったのが少し痛手ではある。だが、彼女もあれから僕によく尽くしてくれている。僕もできる限り彼女に還元しなければいけない。  冷蔵庫から卵を二つ取り出し、熱したフライパンに割って落とす。まだ眠気が残っているが、何とか意識を保ってベーコンエッグを作る。いつも僕が調理を終えた段階でサユキが起きてくるため、二人で朝食を取る。 「サユキはどう? 探偵業には慣れてきた?」  僕がベーコンを食べながらそう尋ねると、彼女は笑って首を傾げた。 「どうでしょう……まだあまり実感がないというか」 「でも幽霊列車の時も土蜘蛛の時も、僕はすごく助かったよ。サユキがいなきゃ解決できなかっただろうし」 「そうですか? そう言ってももらえると嬉しいです」
白崎ライカ
白崎ライカ
アニメとかファンタジーが好きで、とうとう小説に手を出してしまいました。 最近はノリと勢いで詩をよく書いています! 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 すごい今更ですが、誤字癖があります。 どうか温かい目で見て下さると作者は喜びます! 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! よろしくお願いします〜