短編①糸電話
空はとても暗かった。地球は、青かった。
「…ェー、こちら2組。聞こえますか?繰り返します。こちら2組」
「き……す…ざ、…る?……ィ、……ろ」
ところどころ聞こえてくる短音に、蓮は顔を顰めた。
「あ?なんだこれ、なんて言ってんだよ」
紙コップをしっかりと耳にあて、目を瞑りもう一度耳をすませて見せたが、何も聞こえない。
「貸してみ」
隣でしゃがんでいた涼太が蓮の手から紙コップを取り、自分の耳に当てた。
真剣な顔で目を瞑るその表情は、いかにもこれからの地球を左右するような、重要な何かについて考えているような顔だった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/11/8 7:09
最終編集日時: 2025/11/8 13:02
逢坂
青春、現代ドラマ、日常が好きです。たくさん読みたいです。よろしくお願いします!