故意ゆえに。 第1話
想奈の興味
正直言って私は高嶺の花だ。他称でもあるし自称でもある。私と隣の席になった人には、持ち前の明るさと可愛さとコミュ力で1日もしないうちに落とすことだってできる。私は恋人も友達も選ぶ側、なんなら選んであげるって感じだ。そんなこと思ってても表に出さなければ、性格も良くて顔も良くてな完璧キャラ。おまけに頭もいいし運動もできる。欠点があるとしたら視力が悪いくらいかな。コンタクトすれば問題ないし、ないも同然。そのせいか理想が高くなっちゃって本気で好きになった人は居ない。付き合った人は何人かいるけど、周りに押されてまあいいかなって感じで付き合っただけだった。完璧な私だもの、どんな相手だって落とせるからそう焦らずに、完璧な相手が現れるまで待てばいいの。毎日が楽しくて仕方がない。
「想奈〜!」1時間目の休み時間に突入した直後に背後から名前を呼ばれた。
「なになにどうしたの?」私はニコッと微笑むと、友だちの方を向いて質問した。教室は梅雨の時期のせいで高温多湿、蒸し蒸しして髪の毛がゴワゴワしちゃうのが悩みな季節だ。さっき先生が除湿機をつけてくれたから幾分かマシではある。
「三組の山田が想奈のこと好きらしいよ」
ニヤニヤする友だち。私は目を丸くしてスマホを取りだした。
「山田くんって誰だろう?昨日知らない人からDM来たんだけどこの人かな。」
私のスマホをのぞき込む友だち。その後自分のスマホを確認して大きくうなづいた。
「そうそう!その人だよ。写真あるけど見る?」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/7/26 15:40
175号室
高校2年生です。
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