奪死幻影物語⑥
第六話 命
俺は炎の中で自らに呟き続けた。
「命がほしい」
再び生きる人間として友達や家族と会い、共に楽しい時間を過ごしたい。
分かち合い、時にぶつかり合う。そんなことを待たしたい。
この地獄で炎に炙られ始めてから、おそらく10年は経っている。いつまで続くかわからない地獄の中で一つのことを思い続ける。
半狂人になりながらも命を求め耐え続けていると、幻か現実か、炎の先に細い一本道が見えた。
それが実在していることを信じて、俺は足を踏み出した。
10年振りの一歩だ。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/7/23 14:41
黒鼠シラ
高校1年生の16歳です。
面白いかはさておき、話を書くのが好きですのでよろしくお願いします