奪死幻影物語⑥

奪死幻影物語⑥
第六話 命 俺は炎の中で自らに呟き続けた。 「命がほしい」 再び生きる人間として友達や家族と会い、共に楽しい時間を過ごしたい。 分かち合い、時にぶつかり合う。そんなことを待たしたい。 この地獄で炎に炙られ始めてから、おそらく10年は経っている。いつまで続くかわからない地獄の中で一つのことを思い続ける。 半狂人になりながらも命を求め耐え続けていると、幻か現実か、炎の先に細い一本道が見えた。 それが実在していることを信じて、俺は足を踏み出した。 10年振りの一歩だ。
黒鼠シラ
黒鼠シラ
高校1年生の16歳です。 面白いかはさておき、話を書くのが好きですのでよろしくお願いします