20時29分で止まった部屋

私の部屋の時計は、電波時計だ。 正確であることが売りの、あの“ズレないはずの時計”。 なのにその時計は、数年前からずっと——20時29分で止まっている。 最初に気づいたとき、私はただ「電池切れかな」と思った。 電波時計なのだから、少し狂ってもそのうち勝手に直るだろう、とも。 でも、直らなかった。 電池を替えても、壁の位置を変えても、窓の近くに置いても、
月詠 雛
月詠 雛
04(21) 夢で実際に見た話や、日々の体験をもとに文章を書いています。 詩・小説・エッセイなど、ジャンルにとらわれず言葉を残しています。