月を抱く
この世でいちばん美しく切ない姿は月だと思う。
アイリッシュウィスキーをロックで片手に飲み、タンクトップにパンツいっちょうの姿で窓際に立ちながら、仲田一樹は思う。
後ろから卓也が「何をぼんやり考えてるん?」ときいた。
「いろんな事」と俺は答えた。
卓也はおそらく何も深い意味はないだろうという風に「ふーん」とだけ呟き、いつもの定位置のソファーに座り、テレビに目を向けた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/9/1 16:31
最終編集日時: 2024/9/6 15:22
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
前田 芍葉