心の隔たり 第6回N1

心の隔たり 第6回N1
あの頃、私たちの間には『見えない壁』があった。 握手を交わすことも、肩を寄せ合うこともためらわれた。友人と笑い合う時間は画面越しになり、家族で囲む食卓にも静寂が増えた。誰かの温もりを感じることさえ、遠い昔の記憶のように思えた。 人との距離は、物理的なものだけではなかった。心の距離もまた、少しずつ広がっていった。「会いたい」と思っても、簡単には言えない。「大丈夫?」と聞かれても、本当の気持ちは隠してしまう。見えない壁が、私たちの間にそっと立ちはだかり、互いの存在をぼんやりとした影のようにした。 その壁の原因となった『疫病』で亡くなっても、まだ元気だった頃に見た顔が最後となってしまい、二度と顔を合わせることはなかった。 けれど、壁の向こうには、同じように手を伸ばしたい人がいることも知っていた。画面の向こうの笑顔や、届いた手紙の文字、遠くから聞こえる声が、その証だった。中には、自分たちでその壁をぶち壊してやろうと言わんばかりに、人々に笑顔を届けるために立ち上がる者もいた。その行動は、『疫病』に苦しむほとんどの人々を笑顔にした。その瞬間、壁の隙間から、新鮮で心地よい風が吹いてきた気がした。 そして現在。あの分厚い壁は、もうそこには無い。今日も人と人が、手を繋いだり、会話を楽しんだり、いつもの日常を楽しんでいた。
海月
海月
高校二年の海月(くらげ)です! 多ジャンルの小説をたくさん書きたいと思うので、気軽にリクエストをお願いします! 毎日受け付けております👍 プロセカ、一緒にやりましょう!🩵🧡💛🩷❤️💙 「Dark Clover」フレンドコード:549149525832708097 ※サムネやアイコンのイラストは、ChatGPTやピクルー、フリー画像などを主に使用しています。