星2つ、夜の下で

星2つ、夜の下で
 7才の誕生日と、その翌日の事を、今でもよく覚えてる。  まず、誕生日。  秋に始まった特撮ヒーローの変身グッズがどうしても欲しかったので、プレゼントの包みを開けた僕は、飛び上がるほど喜んだ。  その日は何度も何度も遊び倒して、僕は僕が憧れるヒーローになりきったし、それがとても誇らしかった。  …ところが、次の日。  クラスの人気者だった男の子が、昨日始まった深夜アニメの話をみんなに聞かせていて、僕の話せる友だちは、みんな彼に取られてしまっていた。  彼には中学生のお兄ちゃんがいたらしいので、きっとその影響だったんだろうと思う。 「うちマンガも全巻あるんだ! …あー、でも、けっこーグロいから、ニガテなら見ない方がいいかもなぁ」  その言い方は、今ならイラッとくるものがあるけど、当時の僕は、とても大人っぽいと感じた。
四季人
四季人
挨拶がわりに「読んだ記念」していくおじさん。