ジュリ。

ジュリ。
人間の体温さえ感じることのないワンルームのマンションの窓を、今夜は雨が激しく音を立て打ち付けてやがてその雫はそっと垂れ流れていく。 あたしは新宿を濡らしていく雨が好きだ。 ベッドに潜り込み放り投げたままのiPhoneを、極彩色に施された長いスカルプのネイルで這わせる。 「ジュリ、1.5KでNNしてくれるぞ」 「ウケるwww」 「ナンバー外れたから必死www」 「どうせまたホストだろ??」
後藤りせ
後藤りせ