田園風景

田園風景
ガタンガタン…ガタンガタン… 電車が線路の上を通る音、その電車の窓から僕の顔を狙うかのように刺す太陽光、田舎の電車にしては新しいような気がする扇風機の風を感じながら、僕は故郷へと帰ってきていた。 都会に憧れ、高校を卒業したら都会の大学へと飛んだものの、そこで待ってたのは毎日残業続きの会社員生活のみ。だが毎日毎日仕事を頑張ったのが功を制したのか、有給を取ることができ、日帰りながらもなんとか故郷へと帰って来れた。 『○○駅〜○○駅〜お降りの際は足元にお気をつけください』 ぼーっとしていると車内アナウンスが流れ、思わず驚いてしまう。 ミーンミンミンミンミン… 電車の扉が開くと今まで聞こえてこなかった蝉の喧しい鳴き声が耳に入ってくる。それと同時に夏の気温が肌で感じ取れ、僕は自販機に駆け寄っていろはすを買い、すぐに蓋を開けて中を飲み干す。熱った体に冷たい水が染み渡り、とても気持ちが良い。そして荷物を手に持ち直し、駅の構内を出てすぐに左の方へと歩く。 歩いている道中、昔馴染みのおじいちゃんやおばあちゃんと挨拶を交わしながら、実家へと暑さに耐えながら歩く。ここまで暑いのなら隣の大きい水の方を買っておけばよかったと後悔しながら坂道を歩いていると、視界の端に木造の建築物が入ってくる。そちらの方へ意識を向けると “○○小学校”
オオタカ
オオタカ