それでも、ただ君に、
金木犀が香る頃、宛名のない手紙を書いていた。
元気で過ごしていますか。相変わらず泣き虫でしょうか。そんな言葉ばかり筆から零れる。
伝えたいことはなかった。
君はとっくに忘れているんだろ。
僕に勧めてくれた音楽も。
「忘れないでね」なんて言葉も。
それでも、ただ君に、またあの空を見せたかった。
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文字数: 153
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/9/18 13:47
夜ヶ咲
ファインダーの向こう側、ずっと君を探している。/140字小説とその下書き
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