オーボエ
五十七歳の浅井が高校の音楽室に忍び込んだ理由は、笹本のオーボエを舐めるためでした。
もうとっくに日は落ちています。音楽室どころか、校内にすら誰もいません。
笹本のオーボエを見つけた浅井はマウスピースを外し、それを口に含みました。粘膜の全てにその先端が触れるまで、浅井は舐め続けました。口の中が彼女の味でいっぱいになります。
何も怖がる必要はありません。
見られたら殺せば良いのです。
浅井は一心不乱に舐め続けました。彼女のマウスピースが彼の口の中を湿らせ終えた時、廊下から足音が聞こえてきました。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/7/30 11:35
最終編集日時: 2023/2/5 10:39
渡利