シュークリーム、嫌いじゃないですか!?

あんなに飲めないと思っていた酒が喉を通るようになった。毛嫌いしていたタバコを目の前で吸われても何も思わなくなった。 近づきたくなかったのに、感謝すら覚えるようになった。 その人に初めて会った日はたぶん晴れていた。日中出かけなかったからわからないけど、雨は降っていなかった。 「あの!シュークリーム、嫌いじゃないですか!?」 それが彼女が僕に投げた最初の一言。ネオンサインのような光の中でもくっきりとわかるほど目鼻立ちの整った顔つきの彼女は、片手にシュークリームを持って僕を待ち構えていたかのように立っていた。 「今お店でお客さんとシュークリームパーティーしてるんですけど、もしよかったらお兄さんもどうですか!?」 何て答えたのだろうか。おそらく曖昧な返事だ。
リョウ
リョウ
文才なんてものはありません。でも書きたいんです