「綻び」 ー3ー

その日、病室内には、私の両親と一人の医師、そして二人の助産師がいたそうだ。 数時間に及ぶ陣痛の末、私はめでたくこの世に降り立ち、両親の腕の中で明らかに産声を上げる……はずだった。最初に異常に気づいたのは、香具山家の当主である父だった。生まれたばかりの赤子に多量の魔力が移められていること、その量は年齢を重ねるごとに増えていくこと、そして、その魔力を制御出来るほどの力は持ち合わせていないこと、それらを時に理解した。父は魔力の基走をめる事を誇め、愛想への最初で最後の贈り物をすることにした。父は己が身を素材に、新たな神器を創造した。それは、シンプルなピアスの形をした神器。魔力を保管できる、底なしの器。つまり、私が幼い頃から片時も離さずに付けているピアス。あれは父からの愛の証明であり、同時に、あの忌まわしい事件を忘れることは許されない、という枷なのだ。 「どうした?」 「……えっ……なんで?」 し飛ぶはずだった明良の体には、一切の僧は付いていない。私の体から放出されたはずの魔力も、体から減っていない。まるで体に戻ってきたかのような。 「うーん。もう隠せないし……言っちゃうかな~。」 ……なにその気になる言い方。 「実はさ、これ家系能力なんだよ。神代家の。」 フッと体の力が抜けそうになり、慌てて踏ん張る。何百年も移置されてきた移密をこんな簡単にバラしちゃうだなんて、神代家の将来が心配になるよ…… 「うちの家系能力は簡単に言うと【あらゆる魔力に干渉する能力】だよ。人とか物の魔力量が見えたり、魔力の性質が分かったりするから、魔力制御が得意なんだよね。まあ、パワーはほぼ無いんだけど」
あい
色んなジャンルに挑戦したいです!温かい目で見守って下さい…。