道端の傘

あるところに、一つの傘が落ちていました。それは何の変哲もない、深い緑をした傘です。それが開かれた状態で、道端にぽつんと落ちていたのでした。 傘の裏を見てみても、特別何かあるわけでもありません。 よく観察してみても、壊れている訳でもなく、名前が書いてあったりもせず、特別高級そうでも、かと言ってビニール傘のような安っぽさもありません。 本当に、ただの、緑の傘でありました。 ただの、緑の傘が、道端に落ちているのみでございました。
ピリカ
ピリカ
元「鴉君。」です。 諸事情により改名しました、お久しぶりです。 相も変わらず気ままに文を書いたり書かなかったりします。