女
 とある月曜の夕方、僕は優香と寝ていた。この生活が続いてきて改めて、幸か不幸か僕は沢山の女と関係を持っていることに気づいた。  ほんの八年前の自分では有り得ないことだった。五輪を二回やったら、人はどうやらどうにでも変わってしまうようだ。  でもかつての様に、何百もの、何千もの女と関係を持つことはなくなったし、一度に複数の女を家に呼んで乱交したり、遊んだりして一人暮らしの狭い部屋に王国を築きあげたのも、華の大学時代だけだった。  起業してから職場の女に手を出しまくった時期もあったが、それも二十四歳の誕生日に自分がやんちゃをするにはあまりにおじさんになり過ぎていることに気付いて、二十五を過ぎたジジイが派手に女遊びをする滑稽で気持ち悪い様子を散々目撃してきた僕はそれも辞めることにした。  十七歳の僕はそれをするにはあまりに幼かった。二十四歳の僕はそれをするにはあまりに歳をとり過ぎていた。女なんていう下品な趣味が許されるのはせいぜい二千日かそこらのごく僅かな時期に過ぎないんだ。
素人作家
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読みやすくて面白いお話を書きます!