a piece of Tarte Tatin
●一話
屋上にそびえ立つ金網フェンスがモザイクとなり、地一依結(じいち いゆ)の解像度を壊す。
二月の吹き荒ぶ風を、彼女はフェンスを越えた先で一身に浴びていた。
背中まで落ちた白金の長い髪の毛を羽ばたかせて、黒いセーラー服のプリーツを大きく広げている。
病的に細い骨と、貧相に伸びた手足、艶のない蒼白く濁った肌を、冬の西日が突き刺した。
風が勢いよく屋上の扉を閉めた瞬間、忙しなくはためくエンジのスカーフが私の視界を彩る。
「なんだ貴様か」
安堵した声音で私を呼ぶ雑な人称は相変わらずだ。
私の返事など待たず、地一依結は数歩分もない足場から静かに背を投じる。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/1/31 4:35
最終編集日時: 2026/2/1 13:04
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
木のうろ野すゞめ
雰囲気小説を書く人です。
毎週金〜日曜日の間になにかしら書きあげていきたいです。
現在は主に「書く」「書く習慣」にて生息しております。
2025/8/16〜
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