第三話「人生なんてクソゲームと一緒」
六限目のチャイムが鳴り終わると、教室は一気にざわつき始めた。
部活に向かう生徒たち、友達と連れ立って下校する生徒たち――その中で、野林小花は一人、鞄を持ち直して静かに教室を出る。
彼女の放課後は、決まって“例の場所”だ。
この学校には、珍しく二人のカウンセリング担当がいる。
が、実質、吉田先生の方にはほとんど誰も行かない。理由は簡単。「まともに聞く気がない」からだ。
――にも関わらず、小花だけは、なぜかそこに通っている。
いや、もはや通わされているという方が近い。
「さて、今日も地獄かな……」
夕陽が差し込む保健室の前で深く息を吸い、小花はドアをそっと開ける。
「……はぁ~~~……」
中では、椅子にもたれて沈み込む吉田先生の姿があった。
片手にはタバコ、机の上には……ボードゲーム?
「……先生、それは?」
「見ての通り……“絶望”だよ、小花ちゃん……」
「いや、何がどう絶望なんですか」
0
閲覧数: 26
文字数: 1050
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/5/31 5:31
にゃの桜
本が好きで自分でも小説を書けるかなと思いアプリを入れました!
上手な事関係なく、楽しくやって行けたらと思っています!