いびつな手

 私とシオンは、小学生の頃から友人だった。  入学してから初めての席替えで私が教室の隅に追いやられたとき、たまたまその隣がシオンだったのだ。  シオンは、何というかちょっと変わった子で、よく分からないうちにいつの間にか友達になっていた。  人の心に入り込むのが得意で、だから気がつけば私の中に居て、いつの間にか私の手を握っていた。  私たちの性格は対照的で、クラスの評価でも明るくて元気なシオンちゃんと人見知りで俯きがちな私ときっぱり分かれていた。  今思えば何故私たちが仲良くなったかなんてさっぱり分からない。 席替えまでは話さなかったし、なんだか奇妙なものだ。  私たちは同じ教室で、同じような時間を過ごし、同じように育っていった。  背が伸びる度に大人に近づいて、そして気がつけばもう高校生。 お互いに足の生えたおたまじゃくしくらいになってしまった。
空空 空
空空 空
空空 空(カラゾラ アキ)と申します。普段はなろうでごちゃごちゃ書いてます。こっちでもちょこちょこ遊んでいきたいと思います。