【くらげ。さま企画】橙の弦を弾く

【くらげ。さま企画】橙の弦を弾く
人々の足は歩行を止めない。 幾重にも響くその足音は、都会の片隅にどんっと立ち止まり、楽しそうに俺のギターを聴いていたきみを鮮やかに彩っていた。 「きみが好きな音、だね」 夕焼けに目を眇めながら橙に染まる弦を弾く。 ギターのチューニングを繰り返し、ようやく思い通りの音を掴んでピックを離した。 ポケットから小瓶を取り出して蓋を開ける。
旅するわぽん
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