クロヲガチャガチャトカキマワシタノチムラサキ
中央階段を上って南口を出た途端、俺はため息を溢した。
降り注ぐ雨のなか、ターミナル駅は多くの人で溢れている。
10月1日、午前11時。
年度半ばの月初だというのに、買ったばかりのルーズリーフに0.7mmの油性ボールペンで殴り書きされた気分だ。
雨という五線譜が世界に広がる。
雨粒が、行き交う人々の傘に弾けて音を鳴らした。
高くなったり低くなったり、音階という名の傘の群れは気疲れという鉛を心に乗せる。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/10/2 21:26
最終編集日時: 2025/10/6 11:41
木のうろ野すゞめ
雰囲気小説を書く人です。
毎週金〜日曜日の間になにかしら書きあげていきたいです。
現在は主に「書く」「書く習慣」にて生息しております。
2025/8/16〜
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