別れはいつも謝罪とともに ⑧
「ゆか」
「叶斗」
朝比奈先生のいる保健室に向かうには、キョンシーたちの住む寮のそばを通る必要がある。そんな場所をひよりに歩かせては窒息死するだろうと思い、黒暗の森の周りを一周して保健室に向かう。
…かなりの迂回となるのだが。
黒暗の森の周りには泥濘門があるので、叶斗に会うのは予測済みだった。
「えっ、獄卒??」
叶斗を見たひよりは驚く。理解の早いことだ。
「人間じゃん。ゆか、こいつ地獄送りの人間? そーだよなぁ、なーんか問題起こしてそうだわ〜」
「叶斗、そういうこと言わない。ほんと精神年齢が幼い。私より年上とは思えない…」
はあ、とため息をつく。私は高校2年生で死んだので、一応高校2年生ということになっている。叶斗は大学2年生。…まあ、年代が違うんだからあまり当てにはならないのだけど。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2023/4/7 15:02
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
颯兎ちり
早とちりな学生。不定期です。