The day before Valentine

好きな子がいる。 クラスのアイドル…とまではいかないけれど、僕にとってその子は1番華があると思う。誰にでも平等に接し、誰と話していても素敵な笑顔を振りまく。もっと近くで見たい、どんな表情(かお)も独り占めしたいと思ううちに、うっかり恋に落ちてしまった。 そこからはもう、僕の心が常に多忙になった。 好きな人居るのかな、あいつに気があるのかな、常に横に誰か居るな、話しかける隙がないな… 少し大変な恋をしてしまったと思った。勇気を出して話しかけようと思っても、男子が寄って行くのを見ると、「今日もダメだ」とか、「なんであいつは良くて僕はダメなんだ」とか。嗚呼、僕はすっかり彼女に夢中なんだなぁ。期待できない恋だけど追いかけたい。夢の中でも良いから話してみたいーーーー 2月に差しかかり、外がすっかり寒くなってきた。そろそろチョコレートのシーズンだよなぁと男子が騒ぐ中、女子がその会話を聞いて期待させちゃダメだよと、男子を面白がるかのように悪戯っぽく笑う。 僕はその会話には入らず、1人で本を読んでいた。モヤモヤした時は読書。これが1番落ち着くのだ。そもそも、僕はあまり積極的に話す方ではないけれど… …トントン。肩を不意に叩かれ、びっくりして振り向く。すると、彼女だった。
泉美
泉美
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