恋透明

恋透明
“透明な世界で2人愛し合えるさ” 透明な君は僕の手を引いていた。 “好きだよ” 夏休みが始まってすぐの蝉が勢いよく存在を主張しだすころ、君は僕に言ったんだ。 僕はいつのまにか泣いていた。手に持っていた溶けていくアイスのことなど忘れ、ただただ目の前にいる“好きな人”を抱きしめていた。 たとえ難しい恋だとしても僕は絶対君を守ろうと思った。 だけど、現実はうまくいかなかったね。 なんでいつも君は平気そうな顔をするんだよ。なんで僕は気づけなかったんだ。 ごめんな。好きになってごめん。
築月千輝
築月千輝
きずきちがやと申します。 よろしくお願いします。