ファインダー越しの逆光
夕暮れ時の小さな公園。水平線に沈む夕日にレンズを向ける君。真っ赤な空と対象的に、影の落ちた君の背中。
一瞬吹いた風が君の髪をなびかせた瞬間、それを逃すまいとファインダー越しにシャッターを切った。
「今日も暇だね〜」
「事件がないのは実にいいことではないか、ワトソンくん」
「それはそうだね。ところで、松田くん。いい加減、その呼び方はやめてくれない?」
「桜高のホームズと呼ばれるこの名探偵にその座を任されたというのに、君は何の不満があるというのかね」
自称桜高のホームズを名乗る僕のクラスメイト、松田くんが変人……いや、こう風変わりであるのはいつものことだ。
「この座を任されたも何も、他に候補がいなかっただけのことじゃないか」
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2024/1/25 10:46
最終編集日時: 2024/12/13 9:43
あまもよい
真夜中の通知ごめんなさい。