悲しみの行く末

悲しみの行く末
 私は捨てられた。家事を全てこなし、お金だって、給料のほぼ全てを納めていた。それが全て彼のためになると信じて疑わなかった。  でも、今なら分かる。好意を無下に利用されたのだ。  もう、人生でいいことはないかもしれない。彼の家から私物を持ち出す余裕もなく、着の身着のままで雨の住宅街を歩く。家庭を持っている人は、夕食を囲んで一家団欒を楽しんでいるのだろう。  私はこんなところで何をしているのだろう。自分を嘲り、ふらりと横断歩道を渡る。ふと視線を上げると、赤信号だ。  小説やアニメなら、ここで車に轢かれて異世界転生、なんて話になるのだろう。しかし、ここは現実だ。車なんて一台も通っていない。 「もう、いっそ轢いてくれればよかったのに……」  悔しくて、視界が滲んでしまう。私はどこへ帰ればいいのだろう。  溜め息を吐き、再び歩き出す。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/7/27 11:27
最終編集日時: 2026/8/7 10:45
七宮叶歌
七宮叶歌
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