心の剣を貴方に
第2章 足止め 2話
その場にしゃがみ込み、道の傍らに咲いていた小さな白い花をそっと撫でて茎の根元を摘まむ。ごめんね、と心の中で呟きながら、そのまま二輪だけを摘んだ。
小さい頃に熱を出すと、ノエルとリックスは花を持って見舞いに来てくれた。そのお返しのつもりだ。
踵を返し、来た道を戻る。町の人たちのざわめきが大きくなってきても無視を決め込む。
誰にも見付からないようにそっと駆け出し、宿屋の勝手口に手を掛けた。
ドアが開いた音を気にしながらも素早く中へと身を翻し、ドアを閉める。
街の中を一人で歩いただけなのに、酷く疲れた。誰も居ない宿屋の廊下で、一人息を吐く。
ノエルとリックスの部屋の前で口を引く。二人を起こしてしまわないようにゆっくりとドアノブを回し、中へと入った。ノエルの寝息とリックスの小さな呻き声だけが聞こえてくる。
飲料水である水差しの水をコップへと移し、そこへ花を生けた。足音を立てないように二人のベッドの間に置いてあるスツールにそのコップを置く。
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文字数: 2255
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2026/8/4 22:43
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
七宮叶歌
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拠点にしていたNOVEL DAYSのサ終に伴い、ノベモア、solispia、caita、個人サイトに移転作業中です。
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