本の少女#6

本の少女#6
現場はかなり、荒れていた。 叫び声が聞こえ、飛び出すように部屋を出た私達はこの城のドローイングルームへ向かった。 この胸にある、確かな不安と興奮。 橋場恭子ははっと短い笑いをあげた。 たくさんの人に囲まれたシェール夫人の遺体は、バラバラに切り刻まれていた。 首、胴、腕、脚…どれも無惨だ。 専門家らしき、特徴的な髭を生やした男は“夫人の肺のみがない“と言った。 「本当か。それはどういう…」
T.I
T.I
はじめまして。T.lです。