死にたがりの爺さん

死にたがりの爺さん
俺の祖父は死にたがりな爺さんだった。 俺は、寮生活で普段は実家を離れていてお盆や正月くらいにしか帰れなかった。 久々に帰ってきて、祖父に会うと決まってこう言う。 「俺ァ、もう死ぬばい。」 不貞腐れた顔と声で、一言そう言ってそっぽを向く。そんな爺さんだった。 その時の俺は、また言ってるなこのじじい。 くらいの気分だった。 俺が保育園に帰ってた頃、姉が小学二年生の時、祖父の妻、つまり俺の祖母は死んだ。
思議
思議
初めまして。ご感想いただけると幸いです。