白金佐倉と村林由美

第2話 「白金佐倉様〜」  とある病院で名前を呼ばれ診察を受ける。俺は精神科に来ていた。ネットのテストを受け病院に行けと書いてあったからだ。  近くの病院を検索し、口コミを見て良さそうなところを探した。  結果少し電車に乗らなければいけないが、銀座の街中にあるビルの5階にある病院を選んだ。  周りの人はみんな楽しそうに上を向き街を満喫している。俺だけが下を向いて、誰にも表情を見られないようハットを深く被り歩いてる。  俺は常にスーツとハットをかぶっている。昔からだ。スーツを着ていれば自分が強くなれる気がした。ハットをかぶっていれば安心できる。それ故に執着してしまった。言わばスーツにハットは鎧であり、お守りに近い物たちだった。 「白金佐倉様〜」  診察室に呼ばれ入って行く。ここまで来るのに俺はかなり頑張った。重い体をベットから起こし、ようやく着替え、外に出た。電車の中も人が多くて敵わなかったが、吐き気も我慢してここまできた。なのにこの診察室の扉を開けたらいよいよ自分が弱い存在であることを認めざるを得ないのではないか。などと考え動けないでいると先生からドアを開け、部屋に通された。
ねもまる
ねもまる
読書好きの料理人です。 自分の考え方、自分がどこまで小説を書けるのか温かくみまもってほしいです。 アドバイスとか批判とかどんどんおしえてください。 気軽にコメントしてくれてオッケーです!