夏祭りの夜に

夏祭りの夜に
 今日の夜、神社で夏祭りが開かれるらしい。 それを聞いたのは学校帰りの事だった。 (夏祭り、か。何をやるんだろう。) 蝉の声が私の思考の邪魔をする。  夕方、どんな夏祭りか気になり神社に行くことにした。 塗料の少し剥げた鳥居をくぐると、普段は静かな境内に祭囃子の音色が鳴り響いている。参道では浴衣姿の子供たちがはしゃいで、見ているこちらまで楽しくなってしまう。 ふと顔を上げると、林檎飴の甘い香りが鼻をくすぐった。 (そういえば屋台も出ているんだっけ。) 屋台の周りには、たくさんの人が集まっていて前に進むのも困難な程だ。
鴉細工
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のんびりまったり、不定期更新