一行ずつ
放課後の教室は、すっかり静かになっていた。
僕は一人机に向かい、ノートの上を鉛筆がすべる音だけが、小さく響いている。
問題を解いているというより、ただ文字の上をなぞっているような感覚だった。
ふと、窓の外に視線が向く。
校庭の端で、彼女が笑っていた。
隣には彼がいて、二人はゆっくり歩きながら話している。
声は届かない。それでも、楽しそうだということだけは分かった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/11/20 13:53
最終編集日時: 2025/11/25 13:39
寸志
はじめまして
恋愛小説を書くことが多いです。