幻影 7
作 KKZOU
「人殺しなんだ、、、僕は」
「私には、、、お兄ちゃんがいたんだ」
突然の返答に、困惑する。ただ大人しく聞くことにした。
「5年前ぐらいにね、事故に遭ったの。自動車に轢かれて死んじゃった。轢かれそうな私を助けて、ね」
この時、自身はどこか仲間を見つけた感覚を覚えた。きっと思ってはいけないだろうことだが、心の底では救われていた。
「お兄ちゃん、、、アーティストになるのが夢だったんだ。だから、、、私が代わりになることにした。絵を描くのが下手だったけど、それでも描き続けた。それが私が美大を目指す理由。透清はどうして美大を目指すの?」
「栩琶が死んでから、栩琶の親は引っ越したんだ。まぁ自分の娘が死んだ土地に居たくはないだろうね。それで学校でも栩琶の席はなくなっていて、、、この世界から栩琶の存在が消えちゃうんじゃないかって思って。それで少しでも残そうって思ったんだ。栩琶の存在を。それで最初に思いついたのが絵を描くことだったんだ。多分、その頃から栩琶の霊が見えるようになってきたと思う。最初はぐにゃぐにゃの線だったのがだんだんと輪郭になってて栩琶を描けるようになっていった。このまま栩琶の存在を広めたいと思って。どうしようと思ったらアーティストがあると思ったんだ。だから僕は美大を目指す」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/8/4 21:35
KKZOU
KKZOU というものです。
よろしくお願いします。
連載を完結させない才能を持ってます。