小さな奇跡

「ねぇねぇ知ってる?」 「んー?何を?」 「おばあちゃんから聞いたんだけど、ここら辺だと花火の上がる日に気になる人との間に四つ葉のクローバーがあると幸せになれるって伝説があるんだって!」 キラキラした目と早口でそう説明する幼なじみはもう17にもなるのに、どこか子供っぽかった。 「なんだそりゃ、そもそも花火が上がる日って年に1回ある花火大会のことだろ?たまたまその日に四つ葉のクローバーが好きな人との間に咲いてるって天文学的数字じゃんかよ」
このは
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1日1日をただ生きている