現代侍 最終章 其の9

現代侍 最終章 其の9
宮本武蔵。 その名前は、流石に不真面目な部類に属する鞠家牡丹でさえ、聞いた事のある歴史上の人物であった。 確か、めちゃくちゃ強かったお侍さんの名前だったはずだ。 今朝、クラスメイトが何気なく言った言葉は、牡丹の中で確かな引っ掛かりを感じるものだった。 『もしかしたらその人は、宮本武蔵を怨むあまりこの世に蘇ったお侍さんなのかもね!』 めちゃくちゃ強かった侍としてこうして後世に語り継がれているということは、それだけ絶対的な勝者だったということなのだろう。 それはつまり、そうなるまでに、数多の“敗者”を生んだということと同義。 宮本武蔵を怨む者など、無数にいるだろう。 ただし牡丹も、詳しい人物像を知らない。 (私が踏み込むには、歴史(このあたり)から切り込んで行くべきなのかな……)
P.N.恋スル兎
P.N.恋スル兎
嫌なことは嫌々やれ。 好きなことは好きにやれ。 名前は、兎年から始めたのと、DoDが好きなのと、ポルノグラフィティが好きなのでそこから取ってます。