第七十二話

海野が一通り話終えると、静寂を切り裂くように、佐助が呟いた。 「目、見えるようになりたい?」 下を向いていた海野は、パッと顔を上げる。 「そりゃあね!でも、ないものねだりはしない。あの時と違って、今の俺には武士の誇りがある。」 微笑んだ海野の顔は、とても力強く、頼りになるものであった。いつの間にか全員の酔いも覚めている。と、そこに望月が帰ってきた。
澄永 匂(すみながにおい)
澄永 匂(すみながにおい)
連載中の作品は、金、土曜日辺りに更新予定です。 大学生&素人なので文章がぎこちないですが温かく見守ってください。 中学生の頃に作っていた話(元漫画予定だったもの)を書けたらいいなと思い、始めました。