夜明け

それは朝日が眩しく部屋に差し込む月曜日だった。君はその日学校へ来なかった。なぜか担任に聞くと事故にあっていたらしい。 信じられなくて君の病院の病室へ駆け込むと、君は静かに眠っていた。決して死んでいた訳では無い、━━━━━━が、君の横顔は今日の朝日のように美しかった。 何時間か君の横で眠っていたのだろうか。 目を覚ましたときに目に映りこんだのは君の微笑んだ顔だった。 君は私の名前を静かに儚く読んでくれた。 「朝陽」、と。 私は、涙を流して喜んだ。死んでいなかった、いつもの君だ。 それから1週間程入院した君と私は一緒に歩いていた。 久しぶりに外へ出た君は、いい空気だね、と、明るい声で言った。 それからたわいない会話をしながら家へ向かった。
零  (0)
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