ゾンビ

 俺はゾンビだ。腐り切っている。走ることもせずに何となく歩き回って真面目な奴がいたら足を引っ張りたくなる。そいつが俺と同類になってくれればもっといい。そんなゾンビだ。  今日も惰性で大学へと向かう。最低限の課題をこなして帰るだけの面倒な時間が始まる。  ただ今日がいつもと違うところがあった。普段なら渡された英文を読むだけだったのに今日はグループワークが行われたことだ。  四人グループで社会問題について話し合って発表しろと言われた時は自分の耳を疑ってしまった。  何より嫌だったのが隣の席の真面目くんと一緒にやらなきゃいけなかった事だ。  こいつは授業後に教授に質問をしに行くような奴だ。そのくせして四つあるクラスの中で俺と同じ1番下のクラスにいる馬鹿な奴だ。  こういうやつを見ていると腹が立つ。自分の身の丈にあってない。  俺以外のやつから最初は頼りにされていたが最終的に1番足を引っ張ったのもこいつだった。  俺たちが意見を出してる間必死に辞書で単語探している様は流石に失笑が漏れた。  結局こいつは自分の意見が何も入ってない発表の1番簡単な場所を読み上げて終わった。
たなたか
ゆったり