奪死幻影物語②

奪死幻影物語②
第二話 よの道 今日で僕は18歳になる。 僕はずっと18歳の誕生日に登山に行くと決めていた。もちろんまだトラウマはあるし、心のどこかでまたあのような悲劇が訪れるのではないかと思ってしまっていた。 しかし、そんな心配を捻り潰してしまうほどのワクワクが僕の胸の中にはあった。 久しぶりに山に行けることに心が躍る18歳の誕生日の朝、僕は目指す山からまだ暗い空に上がる緋色の星を見ながら、楽しみな気持ちを胸に家を飛び出た。 「行ってきます!」 今回登る山はとても小さな山だ。しばらくの間登っていなかったこともあって、小さめな初心者向けの山にした。ここはど田舎だし、この山の何倍も大きな山が多く存在している。今回何事もなかったらその山々にも登ろうと思って、この小さな山にした。 空が山に乗っかっているような太陽と、同じ緋色に染まっていく、、、 すごい綺麗な朝焼けだ。
黒鼠シラ
黒鼠シラ
高校1年生の16歳です。 面白いかはさておき、話を書くのが好きですのでよろしくお願いします