IN JAPAN 3
ピスキスは数日してから大阪へやって来た。そして彼は小さな背広を纏って、片手にアイス・クリームを持っていた。
「けっけ! 酷い目に遭った! 其処の負け猫? 真似猫? まぁいい、猫太郎めが……こっちに来い!」
手招きしてくる。魚眉毛がぴくぴくと動いていた。博戸は疲れ果てた様子で駆け寄ると「博戸だって」と声を上げる。彼は言葉を聞き流して、神経質そうな視線を向けた。
「架空の企業を作れという話は聞いたか? あのデブ鳥曰くそれが役に立つそうだぞ! 内容を決めようじゃないか」
「はあ、内容ね。賭博関係がいいな」と腕組みして考えを巡らせる。もしも正式な賭博ならばもっと嬉しいものだ。私は管理する側よりも遊ぶ側が良いが、他企業よりももっとマシだろう。ピスキスは眉を吊り上げてにこにこと笑った。そして、丸っこい指を出す。
「私はICT関連企業が良い! 理由は稼げるからだ。まぁ、参考としてだな! あの企業は此方でも良い意味で有名なのだ。JAPANの企業は六菱などの大手会社や完成度の高い自動車会社が有名だろう! きめ細かな接客対応や高度な技術は欧米諸国も参考にしている。MADE IN JAPANと言われるようにな。いわゆる職人気質が多いわけだ! その中でも接客対応や責任感などの点であの企業は高い評価を得ている! ま、一般人どもは一部、ほんの一部しか知らないがな! その反面、私がワシントンD.C.のとあるK企業にいた頃の話だが、あの会社が税務署と悪い仲だと聞いたのだ。何故だろう! 犯罪者気質な奴らや社会不適合者、いわゆる社会のゴミ、犯罪者予備軍どもを裏の世界に溜めて導くような存在だそうだ。一般人のいる表社会、その逆が混ざらないように管理するのも其処だろう! だが突然、双方の社会には税金というものが関わる。当然だな! 猫野郎のお前や私だって国から金を根こそぎ取られる! 故に税金関連のことで対立しているのだろう! 知らんがな!」
腰に両手を当ててどやっとした。博戸は話を聞きながら購入した蜜柑茶を流し込んでうんうんと頷く。分かり易いようで、かなり分かり難い。あまりこういう話は得意ではない。
「悪人にとっては最高の企業だろうね。日本最高峰?」
「日本? いいや、亜細亜最高峰だな! 我が故郷である星加坡ですらもあのように丁寧なところはない! 向こうの国に居る、社会主義共に管理されてる野郎共はそもそも行動が出来ないだろ。思想もあんまり強くない日本は、反社からすると非常《ヒジョー》に都合が良い!」
「なるほどねえ。……もしかして、根津君の企業と契約出来るように……架空の企業を創れってこと? 同じ、裏の企業のような?」
0
閲覧数: 48
文字数: 4112
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2026/5/6 6:31
最終編集日時: 2026/5/6 6:34
愛染明王
科学部の逸材