七夕
離婚届にサインをしてから、半年経って、毎月一度は、会える距離だった。
その日は七夕祭りをしていて、子ども達を誘ってみた。
陽射しが暑いというか、重いというか、ただ、歩いているだけで汗だくだった。
暑い、暑いと文句を言いながら、僕らは歩いていた。
「あの、旗がある所?」と、暖人が、砂漠で見つけたオアシスみたいな顔で尋ねた。
「違うよ。アレはビアガーデンだね」そう言うと、まぼろしかー、と言って、肩を落とした。
「パパ、あーちゃんはもう、ダメかも」あかりも挫けてきた。抱っこをしようかとも思ったけど、多分、余計暑くなるだけだから、やめておいた。
「ほら、着いたよ」そう言うと、二人はちょっと元気になった。
「お祭り久しぶり!」ちょっと、心が軋む。
「とりあえず、なんか食べよう」暑いから、かき氷とポテトを買った。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/8/8 11:18
英兎