月映えの晩餐。

月映えの晩餐。
 いつもと同じ道を歩いていたはずなのに。 「ここは何処……?」  いつの間にか全く知らないところに来てしまったみたいだ。気のせいだろうか、空気が重くのしかかってくる。辺りは静かで薄暗く、何とも不気味だ。冷たい風が吹き、私の背筋を凍らす。得体の知れない恐怖を感じ、一刻も早く戻らなければと思ったその時。  ガサッという物音と共に、何かが私の足にぶつかった。 「……え?」  目線を下にやると、そこにあったのは猫の死体だった。何かに襲われたのだろうか、牙のようなもので噛まれた跡がある。  とにかく、ここは何かが可笑しい。  恐る恐る目線を上げると、「何か」と目が合った。  その瞬間、身体を激しく壁に打ち付けられ、恐ろしいほどの力で押し付けられた。
おもち
おもち
こちらでの寄り道は如何ですか?🍀🕊 ここに辿り着いてくれた貴方のお気に召すお話があれば幸いです✨ 短編小説サイトPrologueでも投稿しています📚