ヤイバ
「ヤイバって言うのはな、そう使うもんじゃあねぇ」
眼前に鋭く光る銀色が、挑発的な表情を突き付けている。
男はにたりと口角を僅かに上げ、言った。
「俺が手本を見せてやる」
ポケットにあったはずの両手は、瞬く間に手元へと迫ると、刃を掠め取る。左手に刃を携帯し、空いた右手を強く握りしめると直立姿勢から右足を踏み出し、全体重を拳へと収束させ、突き出す。
それは、ごく単純な打撃である。
相手の揺らぐ瞳に映るのは、既に奪われた刃よりもその、拳であった。高速で放たれた打撃はみぞおちへと吸い込まれ、全身が一メートル程後退する。追撃は無い。呼吸は困難であり、室内に響くのはただ、絶望と苦痛の入り交じった咳の音だけである。
「ヤイバってのは、こう使うんだ」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/4/8 15:20
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
じゃらねっこ
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